Microsoftで大規模レイオフを決行したフィル・スペンサーの内部メモが流出─「社員を守った元任天堂社長・岩田聡氏はGOATだった」と比較する声も

2025年7月3日 2025年7月3日

フィル・スペンサーがXboxレイオフを正式通知──岩田聡と比較される判断、影響は9,000人規模に

MicrosoftのXbox部門 CEOフィル・スペンサー氏が従業員向けに送ったレイオフに関する内部メモを海外メディアが入手し、その内容に注目が集まっている。今回のレイオフはMicrosoftおよびXbox全体で9,000人規模に及ぶとされ、複数のスタジオや開発中タイトルに甚大な影響を与えている。

フィル・スペンサー氏のメッセージ概要

スペンサー氏は内部メモで、今回の決定について次のように述べている：

本日、当社の組織全体に影響を与える決定を共有します。

Gamingを長期的に成功させ、戦略的成長分野に集中するために、一部の事業領域で業務を終了または縮小し、Microsoftの方針に従い管理層を削減することで、機動力と効果性を高めていきます。
本日影響を受ける方々への敬意を表し、今日の通知内容や組織の変更に関する具体的な情報は、今後数日以内に各チームリーダーから共有されます。

この変化が、これまで以上に多くのプレイヤー、ゲーム、そしてゲームプレイ時間を有している今というタイミングで行われることは承知しています。
当社のプラットフォーム、ハードウェア、ゲームのロードマップはかつてないほど強力です。
現在の成功は、これまでに下してきた厳しい決断に基づいています。
将来も成功を続けるためには、今、新たな選択を行わなければなりません。
この戦略における重要な部分は、最も強力な機会を優先するという規律です。
繁栄している分野を保護し、可能性の高い分野に注力し、会社が当社のビジネスに対して期待している成果を提供していきます。
この集中したアプローチによって、今後何世代にもわたってプレイヤーに卓越したゲームと体験を提供できるのです。

機会を優先することは不可欠ですが、この瞬間の重要性が軽くなるわけではありません。
率直に言って、影響を受ける方々の時間、エネルギー、創造性がなければ、今日の当社の姿はありませんでした。
これらの決定は、関わった方々の才能、創造性、献身の反映ではありません。
当社の勢いは偶然ではなく、チームの長年にわたる献身的な努力の結果です。

人事部は影響を受けた従業員と直接連携して、地元の法律に準拠した退職手当（給与、医療保険、再就職支援を含む）を提供し、移行を支援します。
職を失った従業員の皆さんには、Microsoft Gaming内のオープンポジションへの応募を検討するよう奨励しており、応募には優先的に対応します。

私たちの文化、製品、コミュニティを形作ってくださった皆さんに感謝します。
これまでこの旅に貢献してくださったすべての方々への深い感謝と敬意を胸に、これからも前進していきます。

フィル

「今の成功はこれまでの厳しい決断の結果」と強調する一方で、今回のレイオフは過去最大級の規模になっている。

影響人数と対象スタジオ

公式な人数は発表されていないものの、報道では約9,000人が職を失う見込みで、Microsoft全体（22.8万人）の4%に相当するという。

影響を受けたとされるスタジオは以下の通り：

Raven Software、Sledgehammer Games、High Moon StudiosなどCoD関連チーム
Turn 10 Studios（Forza Motorsport）──スタジオの半数近くがレイオフ対象
Rare──重要人員が複数離脱
King（Candy Crush）──ストックホルム拠点で10%（200人）をレイオフ

キャンセルされたゲームと閉鎖スタジオ

レイオフと同時に、Rareの『Everwild』、ZeniMax Onlineの新MMORPG、Perfect Darkの開発が中止されたとされ、The Initiativeスタジオは閉鎖。Crystal Dynamicsもプロジェクトから撤退したと伝えられている。

岩田聡とフィル・スペンサー──対照的な判断

今回のレイオフに対し、コミュニティでは「フィル・スペンサー氏が好調を強調しながら大規模レイオフを決行している」点に批判が集中している。一方で、かつて任天堂の岩田聡氏が業績不振時に自ら給与を半減し、取締役も減給することで従業員を守った事例が引き合いに出され、両者の姿勢の違いに注目が集まっている。