EAがRespawnに再びレイオフを実施。リリース目前だった”Titanfall3”の開発も中止

EAがRespawnで再びレイオフを実施 Titanfallの派生シューターを含むインキュベーション2案件を中止

Electronic Arts(EA)は2025年4月30日、傘下スタジオRespawn Entertainmentにおいて進行していた開発中のプロジェクト2本を正式に中止し、同時に約100名の人員整理を行ったと発表しました。

対象はApex Legendsチーム、Star Wars: Jediチーム、そして新規開発部門にまたがり、開発・パブリッシング・QA(品質保証)など幅広い職種に影響が及んでいます。

EAは「影響を受けた従業員には30日間の社内公募期間を設け、可能な限りグループ内で再雇用を支援する」と説明しています。

中止の詳細とTitanfallファン注目の“R7”

今回ストップがかかった案件のうち1本は、3月に存在が報じられていた新規IP。

もう1本はTitanfallユニバースを舞台にした抽出系シューター「コードネーム:R7」で、PvPvE形式の対戦フォーマットが計画され、ファンからは「Titanfall 3の代替になるのでは」と密かに期待を集めていたタイトルです。

Respawnは「R7」のテストを実施しリリース目前まで開発を進めていましたが、経営判断により資源を既存フランチャイズへ集中させる方針へ転換した模様です。

Apex Legendsと「Apex 2.0」計画

Respawnはサービス7年目に突入したApex Legendsを依然として「スタジオの柱」と位置づけています。

しかし2月の決算説明会でEAのアンドリュー・ウィルソンCEOは「Apexは期待する成長軌道に乗れていない」と言及し、より抜本的な刷新として「Apex 2.0」と呼ばれる大型アップデートを準備中であると明言しました。

具体的な内容は伏せられていますが、エンジン最適化、アンチチートの強化などが水面下で検討されているといわれます。

今回の開発を止めて浮いた開発リソースは、こうした長期運営計画に投下される可能性が高いと見られています。

Star Wars部門の現在地

『Star Wars Jedi: Survivor』は昨年の発売後に高い評価を得た一方、パフォーマンス問題でレビューが荒れた時期もありました。

Respawnは現在、Jediシリーズ次回作のプリプロダクションと、Bit Reactorと共同開発中のターン制ストラテジー『Star Wars: Zero Company』(仮)を推進中です。

今回のレイオフではJediチームからも一部スタッフが影響を受けましたが、コア設計メンバーは留任しており、開発は継続されるものと思われます。

人事再編とスタジオ組織

組織面ではスタジオ運営担当SVPのダニエル・スアレス氏が新たにGMへ昇格し、Respawn全体の管掌権を取得しました。

創設者のヴィンス・ザンペラ氏はグループGM兼EVPとして、BattlefieldフランチャイズとRespawn両方を統括します。

今回の判断は、プロジェクト数を絞り、少数精鋭でヒットIPの拡張に注力する方針の一環とされています。

EA全社で続く構造改革

EAは2023年以降、BioWareやCodemasters、Maxisなど複数スタジオで構造改革を進め、累計で700名規模の人員削減を実施してきました。

背景にはライブサービス依存モデルの競争激化や開発費高騰があり、同社は「ポートフォリオを定期的に見直し、投資効率を高める」と説明しています。

しかし人員流出は開発スケジュールの長期化やノウハウ蓄積の停滞につながる恐れもあり、投資家からは安定運営に対する懸念が示されているのも事実です。

ファンコミュニティの反応

Titanfall系の新作を待ち望んでいたファンからはSNSで「またTitanfallは陽の目を見ないのか」という落胆の声が上がる一方、「Apex 2.0へ集中してくれるなら歓迎」「Jedi新作にリソースが回るのは良い判断」といった肯定的な意見も散見されます。

eスポーツ関係者は「Apex競技シーンの将来像が明確になればスポンサー離れを防げる」と期待を寄せており、まもなく開始の次期シーズン発表にも注目が集まりそうです。

まとめ

Respawn Entertainmentは今後、Apex Legendsの再活性化とStar Wars関連タイトルの強化に開発リソースを集中させる構えです。

Titanfallユニバースの抽出シューター「R7」や新規IPの中止は残念ではあるものの、スタジオの長期的な健全運営を見据えた選択であるようです。

EA全体で進む組織再編は引き続き業界の大きな関心事であり、Respawnの開発体制がどこに着地するのか、2025年後半の動向から目が離せません。

Xでフォローしよう

おすすめの記事