VRR使用時のフレームレート上限は「リフレッシュレートより約3〜5%低く」が正解、最適値の計算式も紹介

VRR使用時のフレームレート上限は「リフレッシュレートより約3〜5%低く」が正解、最適値の計算式も紹介

⚡ 3行まとめ

  • G-Sync/FreeSync(VRR)環境では、フレームレート上限をリフレッシュレートちょうどではなく約3〜5%低く設定すべき
  • ちょうどの値だとマイクロスパイクでVRRの上限を超え、ティアリングやV-Sync由来の入力遅延が発生する
  • より正確な上限値は「リフレッシュレート −(リフレッシュレート² ÷ 4096)」で計算でき、NVIDIA Reflexの自動キャップとほぼ同じ値になる

144HzのG-Syncモニターを買ったら、フレームレート上限をリフレッシュレートちょうどに合わせればいい——これはPCゲーマーの間でよくある誤解です。実はちょうどの値に設定すると、マイクロスタッターやティアリング、入力遅延スパイクが発生してしまいます。VRR(可変リフレッシュレート)の恩恵を100%受けるための正しい設定を解説します。なお本記事の内容はVRRを使用する場合の話であり、VRRを使わない場合は当てはまりません(詳細は後述)。

🖥️ VRR(可変リフレッシュレート)の仕組み

G-SyncやFreeSyncは、VRRの動作範囲内(例:48Hz〜144Hz)でモニターのリフレッシュレートをGPUのフレーム出力にリアルタイムで合わせる技術です。これによりティアリングゼロ・入力遅延最小を実現します。

ただし、この範囲の上限を超えるとペナルティが発生します。144Hzディスプレイで144FPSに達すると、ドライバのV-SyncがOFFの場合はG-Syncが解除されて固定リフレッシュに戻り、即座にティアリングが発生。V-SyncがONの場合は従来型V-Syncがフォールバックとして作動し、レンダーパイプラインにフレームキューが生じて1〜2フレーム(15〜30ms)の入力遅延が加わります。

さらに、ゲーム内・NVIDIAコントロールパネル・RTSSといったソフトウェアのフレームリミッターはマイクロ秒単位で完全にフラットではなく、144.0FPSに設定しても実際には144.2や145FPSに一瞬オーバーシュートすることが頻繁にあります。このマイクロスパイクが常にVRRの上限を超え、瞬間的な入力遅延やティアリングを引き起こすため、「ちょうどの値」ではダメなのです。

✅ 推奨設定(ゴールデンルール)

この3つを同時に設定するのが基本

  • G-Sync / FreeSync をON
  • ドライバレベルのV-SyncをON
  • フレームレート上限をリフレッシュレートより約3〜5%低く設定

G-Sync併用時のドライバV-Syncは、VRRウィンドウ内でフレームペーシングを整える役割を果たし、画面下部のティアラインを消しつつV-Sync遅延を追加しません(フレームレートが上限に到達しない限り)。

🧮 より正確な上限値の計算式

「一律3FPS下」は簡易的な目安であり、コメント欄などでは計算式で求めるのがより正確という指摘が多く寄せられています。Special K開発者に由来するとされる次の式が知られており、この値はNVIDIA Reflex(G-Sync+V-Sync有効時)の自動キャップとほぼ一致します。

FPS上限 = リフレッシュレート −(リフレッシュレート² ÷ 4096)

例:240Hzの場合、240 −(240×240÷4096)= 約226FPS。これはReflexが適用するキャップ値と同じで、約0.25〜0.30msのフレームタイムバッファを確保する計算になります。除数を3600とする流儀もありますが、いずれも概ね「リフレッシュレートの3〜5%下」に収まります。

リフレッシュレート別の推奨上限(÷4096式)

リフレッシュレート 推奨FPS上限
120Hz 116 FPS
144Hz 139 FPS
165Hz 158 FPS
180Hz 172 FPS
240Hz 226 FPS
280Hz 258 FPS
300Hz 278 FPS
360Hz 328 FPS

なお「バイオハザード RE9」のように、VRR画面を検知して自動で最適値(120Hzで116FPS)に制限してくれるゲームも存在します。自動制限がないゲームでは自分で設定する必要があります。

🔧 フレーム上限のかけ方(優先順位)

  • ①NVIDIA Reflex(対応ゲームでは最優先):G-Sync+V-Sync有効時に最適値を自動計算してキャップ。手動計算が不要になる
  • ②ゲーム内エンジンのリミッター:レンダーキューに到達する前にフレーム生成を制御するため低遅延。ただしゲームによって品質に差があるため、Reflex対応ゲームではReflexを優先
  • ③ドライバ / RTSSのリミッター:ゲーム内に上限設定がない場合の汎用フォールバック

⚡ VRRを使わない場合はこの限りではない

本記事の設定はあくまでVRRを使用する場合の最適解です。遅延を最優先するなら「V-Sync・G-Sync/FreeSyncをすべてOFF」が最速という考え方もあり、高リフレッシュレート帯(144Hz超)ではティアリングが知覚しづらいためこれで十分という声もあります。実際、プロFPSプレイヤーの多くはVRRやリフレッシュレート連動のキャップを使わず、最も低く安定したフレームタイムを優先して500〜600FPS前後に制限するのが一般的です。用途と好みに応じて使い分けましょう。

VRRを使うなら「リフレッシュレートちょうど」は逆効果。
Reflexの自動キャップか計算式で、VRRウィンドウ内に収まる上限を設定しましょう。

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