
「Hyperchargeは失敗作じゃない」―インディーTPS開発チームがユーザーから批判にブチギレ、結果的に大きなPRに
先日PS4/5でのサービスを開始(※)した、おもちゃの兵隊を操作して戦うマルチプレイTPS『Hypercharge』の開発チームが、オンライン人口の少なさを理由に「このゲームは死んでいる」と断じたプレイヤーへ痛烈な反論を行い、大きな反響を呼んでいます。
※日本のPSストアでは6月2日現在未対応
少人数オンライン=失敗作?
近年は数え切れないほどのライブサービス作品が乱立しており、プレイヤーを惹きつけ続けることは大手でも至難の業です。ましてや少人数のインディー開発にとっては、無料モデルでもない限り大規模なユーザーベースを維持するのは難題となります。その中で、とあるユーザーが『Hypercharge』を「プレイヤーがいない」「開発者は怠慢」と非難する投稿を行いました。
開発者の反論ツイートがバズる
開発チームはこの批判に対し、次のようなメッセージで反論しました。
「数千人がオンラインにいなくても、どこかで親子がスプリットスクリーンを楽しんでいる(Hyperchargeには昔のFPSゲームのような画面分割で同時プレイできるシステムが存在)。それだけで私たちには十分だ。すべてのゲームがオンライン専用である必要はない。」
We made the game we always wanted as kids. And we did it. That’s our success. pic.twitter.com/OhDUmf9CO3
— Hypercharge | Out Now on PlayStation! (@HyperchargeGame) May 31, 2025
HYPERCHARGE UNBOXED
私たちにとって成功とは何かについてエルデンリング ナイトレインは24時間で200万本を売り上げました。DOOM: The Dark Agesは100万本以上。Splitgate 2もアーリーベータで100万ダウンロードを達成しました。どれも素晴らしいゲーム。大成功です。そして正直なところ、私たちにとっても刺激的です。私たちと同じように、本当に一生懸命取り組んできた人たちが、何年も愛を注ぎ込んで作り上げたゲーム。彼らはその成功を勝ち取りました。
でも、私たちはHyperchargeです。5人だけで作った小さなアクションフィギュアインディーゲーム。私たちは大きなスタジオではありません。巨額の予算もありません。流行を追ったり、バズを狙ったりすることもありません。何百万本も売る必要もありませんし、同時接続何百万プレイヤーも必要ありません。Hyperchargeはオンライン専用ゲームでもありません。好きなようにプレイできます。そして正直に言えば、それでいいんです。前にも言いましたが、これからも言い続けます。ゲームを作ることは、金持ちになるためでも、有名になるためでも、最多同時接続数を目指すためでもありません。
私たちにとっての「リッチ」とは、愛する人たちと一緒に、自分たちが好きなことを毎日できること。意味のあるものを作ることです。私たちは、子どもの頃にいつも夢見ていたゲームを作りました。ありきたりかもしれませんが、本当のことです。好きなことを仕事にすれば、一生働くことはないと言いますが、まさにその通り。生活費を払えて、家族を養えて、自分たちの大切なものを作り続けられるなら、私たちはすでにリッチなんです。これが、私たちにとっての成功の意味です。
「最初から終わってる」「無料じゃないと誰もやらない」「無料プレイのビジネスモデルなしでどうやって稼ぐの?」そんなコメントは慣れています。でも答えはシンプルです。最高のゲームを作る。それだけです。Hyperchargeは絶対に無料プレイにはしません。ゲーム内課金、バトルパスなども絶対に導入しません。お金を失うかもしれないし、何百万人ものプレイヤーを逃すかもしれません。でも、
私たちが失わないのは、自分たちの信念に背かずに眠れる夜です。
読んでくれてありがとう。- Joe(Digital Cybercherries)
「好きだから作った」開発者の信念
公開された声明では、「子供の頃に遊びたかったゲームを作った」という原点を強調。「請求書を払えて家族を養い、情熱を形にできれば私たちはもう成功者だ」と語り、自分たちの成功指標はプレイヤー数ではなく“創作への満足”であると表明しました。
無料化しない理由
開発チームは「Hyperchargeは絶対にF2Pにしない」と断言。バトルパスやマイクロトランザクションも導入せず、収益よりもゲームの本質を守る方針を示しました。
「無料化しないことでユーザーや売上を逃すかもしれない。それでも信念を曲げてまで稼ぎたくはない」と締めくくっています。
偶然の大バズり
この一連の騒動は結果的に大きな宣伝となり、投稿は瞬く間に拡散。多くのユーザーが『Hypercharge』に興味を持つきっかけとなりました。高価な広告よりも“予期せぬ炎上マーケティング”が奏功した形ですが、開発者はあくまで自らの信念を貫く姿勢を示し続けており、称賛を集めています。
I don’t even know what to say. Hypercharge is currently the #6 best-selling new game on the PlayStation Store. For a small team like ours, this means the world. Thank you so much for believing in us, and in the kind of games we still believe in making. pic.twitter.com/EmI58nzzY9
— Hypercharge | Out Now on PlayStation! (@HyperchargeGame) June 1, 2025
この話題のおかげか、公開されたばかりのPSストアでは新作ゲーム売上ランキング6位に上昇。開発者の信念に共感したプレイヤーからも注目を集めている模様です。
まとめ
・オンライン人口の少なさを理由に「失敗」と断じた投稿に対し開発者が反論。
・親子でのスプリットスクリーンプレイなど、小規模でも楽しめる価値を強調。
・F2Pや課金要素を導入せず、信念を守ると宣言。
・反論ツイートがバイラル化し、結果的にゲームの注目度が急上昇。
開発チームは「数字では測れない成功」を掲げ、今後も自分たちの作りたいゲームを追求していくとしています。